住まいに関すること、インテリアのこと、日常のことなど・・・。わたくし、リフォームデザイン研究所長 天方が、素敵な暮らしのヒントをブログでご紹介いたします。是非、 ご覧ください。

建築

レトロな喫茶店「横浜文明堂」

2012年2月 7日 09:00

横浜伊勢崎町にある喫茶店「ル・カフェ」でお茶をしてきました。ここはカステラで有名な文明堂の店です。インテリアはクラシック調で、歴史のある街横浜にぴったりです。

店内は天井が高く、正面には壁面いっぱいのステンドグラスが張ってあるのでまるで外国のお店のようです。クラシックなデザインの家具類はオークで揃えてあります。

 

CIMG4041.JPG 店内の突き当たりの壁に、みなと横浜をイメージさせる大きなステンドグラスがはめ込まれています。

 

初めて「ル・カフェ」でお茶をしたのは、今から27年前のことです。

そのころ、外国に一度も行ったことのない私は西洋の雰囲気に触れて「ヨーロッパのクラシックってこんな感じなのかしら・・・」とワクワクしたものです。

今でも伊勢崎町や関内には、古き良き時代の雰囲気が残る店が、まだまだたくさん残っています。

私は東京ガスリモデリング(株)に入社後、横浜の関内にある「リヴィングモア横浜店」に配属されました。横浜勤務は10年くらいのことでしたが、すばらしい環境で仕事をさせていただいたものだと感謝しています。

 

北海道生まれの私は、まるで外国のような横浜の街にすっかり魅せられていました。

とくに関内から馬車道を通って海まで行く道のりは、ヨーロッパの古い街並みそっくりなのです。写真や映画でしか見たことがなかった外国への想いがつのって、通りを歩くたびに「ワォー」とため息ばかりついていました。

 

CIMG4043.JPGバルコニー風に張り出した、中2階の席です。オークの手すりとレトロな照明器具がピッタリなのです。

 

テレビコマーシャルの仔グマのダンスでおなじみの文明堂は、明治33年に長崎で開業し現在に至っています。

カステラは誰もが知っているお菓子ですが、起源は古く紀元前3世紀ころスペインで作られていたビスコチョというお菓子が原型といわれています。日本には400年以上前にキリスト教などとともに長崎に伝わってきたそうです。当時の日本では、カステラは庶民が食べられるものではなく、長崎の代官が南蛮料理とともに豊臣秀吉に献上したとの記録があるそうです。

 

CIMG4039.JPG文明堂なのにカステラではなく「あんみつ」を注文してしまった私です。右にあるのは番茶です。

 

関内に勤めている頃、仕事でなにか困ったことが起きるとよくこの店に来たものです。

当時の店長や同僚に「聞いてください!」などと訴えていたことを思い出します。

未熟だった自分を思い出しながら、甘い「あんみつ」をいただいてきました。

 

住みたくなるような仮設住宅

2012年2月 3日 09:00

「木造で作られた仮設住宅を見つけました!」

2011年12月号の「新建築住宅特集」にこんな仮設住宅が掲載されていました。

一般的に仮設住宅といえばプレハブ製の長屋をイメージしますが、ここは全く違っていました。

 

CIMG4028.JPG 仮設住宅なのに、昔からそこにある集落のようなのどかな風景です。

出展:新建築住宅特集12月号より

 

陸前高田市住田町の仮設住宅です。この建設を請け負ったのは、岩手県気仙郡住田町にある住田住宅産業です。住田住宅産業は地元の気仙スギや気仙大工のPRのため1982年に第3セクターとして設立された会社です。

昨年の1月ころ、全国の被災地に対応するため「応急仮設住宅を木造でつくれないか」との検討に入っていたそうです。まるで今回の震災を予想していたかのようです。

よもや地元民のために役立つことになるとは・・・考えてもいなかったのです。

 

CIMG4034.JPG各住居の視線が交錯しないよう角度を振って配置してあります。庭を介して住民同士の交流が期待されます。

出展:新建築住宅特集12月号より

 

住田住宅産業では震災後の3月22日には1棟目を建設し、その後5月末までに110戸の仮設住宅を建設したそうです。

 

東北の震災で国は緊急に対応すべく、例外として仮設住宅の建設を地元企業に発注したそうです。岩手県、宮城県、福島県とも地元企業によって仮設住宅が建てられたのですが、それらの多くが木造だったというのが印象的でした。

 

木造パネルの検討段階から、仮設住宅の役割が終わったら移築も可能だし「パネルがボロボロになったらペレット燃料(暖炉などの燃料)として使える」という、終わり方まで検討していたそうです。まさに地産地消のモデルがここにありました。

 

CIMG4035.JPG 福島県に建てられた40㎡のログハウスの仮設住宅は、福島ログハウス共同体の施工です。 

「木の香りがいっぱいでしょうね!」

出展:新建築住宅特集号より

 

今回の震災では行政も地元企業も協力して、住宅の建設にあたっていたことを知り、「やれば出来るのだ!」と嬉しい気持ちになりました。

「目的を一つにし」力を合わせたからこそ、このような仮設住宅を作ることが出来たのだと思います。

 

「シャルロット・ペリアン」の椅子

2012年1月20日 09:00

鎌倉にある神奈川県立近代美術館で開催していた「シャルロット・ペリアン展」に行って来ました。昨年の12月だったのですが、開館60周年・記念展が開催されていました。

 

thumbnail[5].jpg美術館の裏側からの眺めです。坂倉準三の設計として有名な建物ですが

「何となくコルビュジェの建物に似ているなぁー」と思いました。

 

神奈川県立近代美術館は鎌倉本館、別館と葉山館からなっています。鎌倉本館は1951年に完成した日本で最古の近代美術館です。

 

CIMG3882.JPG  建物の正面玄関側です。60周年を記念して「なぜシャルロット・ペリアン展なのかしら・・・」

 

シャルロット・ペリアンはフランスの建築家で、インテリアデザイナーでもあります。

1927年にコルビュジェのアトリエに入り多くのデザインに関わったそうです。

この頃、コルビュジェの事務所には坂倉準三と前川國雄がいたそうです。その後、ご主人の転勤で日本にも住んだことがあり、坂倉準三とは長い交友が続いたそうです。

 

w02[1].jpg日本に住んでいる頃のシャルロット・ペリアンです。魅力的な女性です。

 

坂倉準三が設計した美術館が60周年に・・・なるほど「シャルロット・ペリアン展」とつながりました。

有名なLCシリーズの椅子は一般的にコルビュジェのデザインだとされていますが、

デザインの基本設計を行ったのは、シャルロット・ペリアンだったそうです。

 

CIMG3889.JPG彼女のデザインした椅子で有名なのは、この「シェーズロング」(長椅子の意味)です。

 

この椅子の凄いところは、座ったまま体が寝た状態(脚が高く上がる)になるまで位置を変える事ができることです。今から60年も前に「こんなに美しいフォルムなのに機能的な椅子」がデザインされていたことに驚くのです。

 

「優れたデザイン」とはただ美しいだけではなく機能的であり、時代を超えて多くの人に愛され続けるものでなければならないことを教わりました。私達のリフォームの仕事も「全く同じことだなぁー」と改めて思い知らされました。

 

彼女がデザインした椅子で、とくに面白い椅子があります。

皆さんもどこかで1度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

 

kamakura_2011_10_22-thumb-250x200-3798[1].jpg1枚の板を折り曲げて成型されている「オンブル」(日本語で影)というスタッキング出来る椅子です。

「天童木工」で製作されていましたが、現在は契約が切れたため作られていません。

 

影という名前がつけられたのには、こんなおもしろいエピソードがありました。

背もたれの高さがないので、テーブルの下に置くと影のようになり、テーブルが強調され美しく見えます。

この椅子はシャルロット・ペリアンが日本滞在時にデザインしたものです。文楽の人形使いの黒い衣装が、意識して見られないことにヒントを得てデザインしたものだそうです。この椅子を発想するきっかけになったのが文楽の黒子だなんて・・・。

「忘れていました!」こんな柔らかな発想のしかたがあると言うことを。

 

夜の浅草寺

2011年12月20日 09:00

浅草駅のほど近く「ねぎま鍋」で有名な「浅草一文」というお店で、仕事仲間と忘年会をしました。「ねぎま鍋」は葱と鮪(マグロ)白菜、きのこが入ったお醤油ベースの鍋です。

「江戸の人は当時から、お醤油の濃い味が好きだったのね~」と思わせる味で美味しかったです。

風もなく気持ちの良い夜だったので、お店を出たあとみんなで散歩がてら、浅草寺(せんそうじ)の境内を散歩しました。通常は表参道の入り口にある雷門から入って参拝するのですが、この夜は本堂の裏から入ったため、逆コースになりました。

 

CIMG3848.JPG 浅草寺本堂で「今年一年の無病息災を感謝」「来年の安泰を祈願」いたしました。

 

浅草寺は東京都内最古のお寺で、ご本尊は聖観音菩薩(しょうかんのんぼさつ)です。

観音菩薩をご本尊とすることから「浅草の観音さま」とよばれ、親しまれて来たそうです。浅草寺の由来は、推古天皇の時代(1400年前)にさかのぼると言われています。

 

CIMG3850.JPG 本堂を背にすると、目の前に美しい宝蔵門が浮かびあがります。

善男善女の仲間達は楽しそうです。

 

宝蔵門は本堂と雷門の間にある入母屋造の二重門(2階建てになっている門)です。

暗闇のなかに浮かび上がる二重門は、息を呑む美しさです。昼間は参拝客で混雑しているせいなのか、こんなに美しい形をしていたとは今まで気がつきませんでした。

 

CIMG3854.JPG本堂の西側にそびえ建つ、48メートルの五重塔です。

ライトアップのおかげで、細かい細工までくっきり見えその美しさが際立ちます。

 

CIMG3859.JPG仲見世のシャッターが閉まっているので、華やかな紅白の餅や駒のお正月飾りが目に飛び込んできます。

 

私が子供のころ母が山から枝を取ってきて、赤い色粉を混ぜたピンクの餅と白い餅を、茶の間の天井に飾ってくれたのを思い出します。 この飾りが部屋の中に飾られると、子供たちはお正月が近いことを知りウキウキしたものです。

 

CIMG3861.JPG表参道の入り口にある、かの有名な雷門です。このお寺の山号は「金龍山」というそうです。

 

向かって右に風神像、左に雷神像を安置しているので、正式には「風雷神門」というそうですが親しみを込めて「雷門」と呼ばれるようになったそうです。

 

暗闇のなかにそびえ立つ荘厳な建物を鑑賞していると、身の引き締まる思いがしました。

人混みを避けたいと思われる方には、ぜひ夜の参拝をおすすめします。

 

セント・メリーズ・インターナショナル・スクール

2011年12月16日 09:00

友人がセント・メリーズ・インターナショナル・スクールの音楽の教師をしています。

「最近、学校を建て替えたので見学に来ませんか?」と誘っていただいたので、行って来ました。

 

CIMG3692.JPG正面玄関です。インターナショナル・スクールに入るのは初めてのことです。

 

セント・メリーズは世田谷区瀬田にあり、田園都市線の二子玉川駅が最寄駅です。

1954年(今から57年前)にキリスト教のカトリック教会により設立された学校です。この学校は幼稚園から高校までの男子校です。生徒は多国籍で、おおよそ60カ国から集まった生徒が在籍しています。(国籍に関しては毎年変動するそうです)

 

CIMG3696.JPG全ての教室の壁には、十字架のキリスト像がありました。

 

設立されてから54年が経過し、校舎が老朽化したため、3年かけて全ての校舎を建て替えたそうです。設計者は  エドワード・鈴木で、この学校の卒業生です。

 

CIMG3694.JPG小学校低学年の教室です。天井に紙製の「巨大な赤いクモ」や「くじら」が下がっていて楽しそうです。

このひと手間が、子供に与える影響が大きいのです。

 

校舎内でひときわ目を惹いたのが、廊下の壁に貼られた子供達の作品展示コーナーです。

私が注目したのは、作品展示パネルの背景の色紙です。ベースになる色紙を一面に貼ったことで作品が引き立っています。

 

CIMG3698.JPG廊下もタイルカーペット敷きで、学年によって色分けしてあります。赤は低学年エリアです。

 

                  CIMG3699.JPG         CIMG3700.JPG

 

隣の教室はブルーの色紙が貼ってあり、手をつないでいる人形は、どうやらこのクラスの生徒のようです。

 

こんな「なんでもないこと」のように見える演出も、子供にとっては自分の存在が認められているようで嬉しいに違いありません。

 

CIMG3719.JPG体育館のマットの床もカラフルです。中学生が、大音響のなかエアロビクスのような授業を行っていました。

 

CIMG3714.JPG温水プールでは高校生が水球の授業をしています。1年中プールを使えるなんてうらやましいです。

親達が見学できるように、プールの上部には見学用デッキもありました。

 

この他にも吹奏楽教室、絵画教室、化学実験室、建築学教室などなど「専門的に学ぶことができる環境」が整っていました。

特に小、中、高の学校は、学生自身が自ら進んで「学びたい」と思えるような環境を作ることが大切です。

日本の学校は施設のほかにも、まだまだ学ぶことがあるのではないでしょうか。

 

私はやっぱり窓が好き

2011年8月26日 09:00

窓や出入り口扉のデザインは住宅において大変重要な要素です。和風建築と洋風建築ではそのデザインは全く違います。

 

CIMG2540.JPGレトロです・・・昔の住宅ではこのような玄関が多かったように思います。

いまここはペットショップです。

 

この建物は間口が広いので、昔から店舗として使われていたのだと思います。「欄間つきの引き違い戸」実に懐かしいです。私の育った北海道の田舎でも、数軒あった店はこんな引き違い戸だったと思います。この道を少し歩くと次にこんな建物がありました。

 

CIMG2543.JPGここは歯医者さんです。モダンな造りの建物で、隣り合わせの窓にシビレます。

 

CIMG2542.JPG外壁が濃いブラウンで軒下の壁のみホワイト、窓がグレーの組み合わせがとてもオシャレです。

 

昔はこの建物のように、洋風スタイルの造りがおおいに流行った時代がありました。私の生まれ育った家も北海道の田舎ですが、両開きのフレンチ・ウインドーがありました。

残念なことですが、今ではこんな窓を造ってくれる職人さんはいなくなりました。

というより我々のような設計者がこんな窓を設計しなくなっています。

そしてこの道をもう少し歩いて行くと・・・

 

CIMG2541.JPGここは店名からして夜はバーなのかもしれません。

窓辺に緑を置いた小さな窓がいいですね・・・やはり1960年代を感じます。

 

最近の日本の住宅では和洋折衷の住宅が多く「新和風スタイル」か「どちらかというと洋風スタイル」の住宅が主流です。「個性があるようで個性が無い」というのが感想です。

この道をまた少し歩いて行くと、こんな立派な住宅がありました。

 

CIMG2538.JPGヨーロッパにある住宅のようです。

 

仕事でこの楽しい通りをよく歩くのですが、いつも「きれいな窓だなぁー」と見上げている建物です。すべり出し窓とフィックス窓の連窓です。ヨーロッパスタイルの花台が付いていて、赤いゼラニュームがよく似合っています。窓はブラックサッシなのですが周囲の飾り枠がホワイトです。窓が引き立っています。

西洋の窓は「外から見ても、室内側から見ても美しい」ようにデザインされています。

 

CIMG2750.JPGイギリスのダーティントン・ホールの建物にあった窓です。

 

建物の外観を意識して、窓の周囲を植物で演出しようとするセンスは、日本にはありません。おそらく塀が家の周囲を覆っているので「どこからも見えない」という感覚があるのかもしれません。でもそんなことは無いのです。室内側から見て、窓枠ギリギリに葉っぱや花が見えるのもステキですよ。つるバラが窓枠にからまり、小さな花を付けたときなどは感動するはずです。まるで窓枠が消えてしまったような錯覚さえ感じます。

 

ダーティントン・ホール

2011年7月29日 09:00

トトネスでタイムスリップしたような感覚になったまま、トトネス再興のきっかけとなった、近くのダーティントン・ホールに案内してもらいました。

 

                               CIMG2737.JPG        CIMG2733.JPG

ダーティントン・ホールの建物は中世の雰囲気をそのままに残しています。

これらの建物の一部は、サイダープレス(リンゴ酒のため)の工場だったそうです。

 

1925年(いまから85年前)ニューヨークのホイットニー美術館で有名なホイットニー家の娘ドロシー夫人が、トトネスの郊外にあったこれらの古い建物と広大な敷地を買い取り、ダーティントン・ホール財団を設立しました。ダーティントン・ホール財団は芸術と思想、農業、園芸などの分野を中心に研究や教育活動をしています。

 

CIMG2743.JPG 開口部のアーチは美しく完璧です「私もいつか、どこかで造ってみたい!」

暗いところから光に向かうと、この演出は可能になります。私の大好きな手法です。

 

CIMG2752.JPGこのアーチに使われているモチーフは、ヨーロッパ建物のさまざまなところに見られます。

そう言えば戦で使った盾も同じ形だったのではないかしら・・・。

 

CIMG2751.JPG白く塗ったこのアーチもステキ・・・でもなぜここの壁がこんなに厚いのだろう・・・。

 

この施設のなかには芸術大学、美術館、有機農園、クラフトショップ、オーガニックレストランなどがあります。ここに来てみて、トトネスの街全体がなぜ「エシカル風な街」だったのかに納得です。(エシカルとはオーガニックで体に優しく、古いものを大切にし「人と地球に負担をかけない」という考え方です)

 

CIMG2740.JPGホール内部にあるレストランです。タペストリーが石の壁に暖かさを・・・。

 

ダーティントン.jpgここでも同じモチーフが三角の天井に柔らかさを与えています、美しい!

 

イギリス人陶芸家のバーナード・リーチもここで工房を持ち、作品を作っていました。

バーナード・リーチは日本で暮らしたこともある親日家で、世界中に多くの弟子がいます。

 

CIMG2756.JPG現在はクラフトショップになっているこの建物がバーナード・リーチの工房でした。

 

CIMG2761.JPG彼が作品を作っているところの写真です。

 

CIMG2759.JPG友人の柳宗悦(民芸運動家)左端と浜田省吾(陶芸家で人間国宝)右端がダーティントン・ホールを訪ねた時の写真です。

 

バーナード・リーチは陶芸に美術品としての価値を認めず、日用品としての器として、形や触覚が大切だと考えたそうです。生涯の友となる民芸運動家・柳宗悦とは、この考え方で結ばれていたそうです。また白樺派の青年達と知り合いになり、彼らの本拠地である我孫子で最初の窯を開き、陶芸家としての一歩を踏み出したそうです。いやぁー本当に驚きました「我孫子の白樺派の文人住居跡地」は現在は一般に公開されていて、私もよく通りかかるので知っています。

 

CIMG3050.JPGこのショップで素朴なマグカップを買ってきました。

 

「偉大なる日用品」という考え方に、リフォームの仕事と重ね合わせ深く共感しています。

 

中世の街・トトネス

2011年7月26日 09:00

ロンドンから電車で3時間ほどのところにあるデヴォン州、トトネス(Totnes)の街にやってきました。友人の家はここから車で20分ほどのところにあります。

 

CIMG2714.JPGトトネスは中世の雰囲気をそのまま残している街です。向こうに見える丘の緑とカラフルな壁の色に見とれてしまいます。

 

トトネスはその昔、要塞都市として始まりました。トトネス城は11世紀に建てられ、現存しているそうですから、古いなんて言う表現では足りないほどです。中世から16世紀にかけては商業都市として栄えたそうですが、その後は徐々に衰退して行ったそうです。

 

CIMG2701.JPGメインストリートは緩やかな上り坂になっていて、両側に小さな店舗が並んでいます。

この日は生憎の雨だったので、写真が暗いのが残念です。

 

メインストリートの中間辺りにある道路を横切るこのゲートはその昔、城壁の門だったのかもしれません。

 

CIMG2715.JPGストリートの両側には住宅地への「クネクネ道」があり、こんな家々が並んでいます。まるで「おとぎの国」に迷い込んだようです。

 

この街が活気を取り戻したきっかけは、アメリカ人の富豪がこの近くに建物と土地を買い取り、あることを始めたからだそうです。そのことは次回のブログでご紹介します。

 

              CIMG2705.JPG    CIMG2706.JPG

 

通りに面して「教会を発見!」 この建物の一部はまるでバルセロナのサグラダ・ファミリアのようです。

「するともしかしてガウディーもこの教会を見たのかしら・・・」なんて勝手な想像をしてみます。

 レンガの劣化状況からみて、中世の建物に違いありません・・・夢は広がります。

 

まるで絵本に出てくるような建物を見ながらこの街を歩いていると、自分が東京のような近代都市に生きていることが現実ではないように思えてきます。

 

                    CIMG2723.JPG     CIMG2724.JPG

 

このレンガの家とそれに続く壁は中世からのものです。

白い窓台が付いていて、窓の形をしているところはその昔、窓でした。税金を集めるために「窓税」という制度を作り、

税金を納めさせようとしたところ住民は窓を塞いでしまったという、笑い話のような跡が残っています。

 

トトネスの街は芸術、有機農業などに関心が高い人が住んでいます。この近くにはイギリスで最大のオーガニック農場があるので有名です。

 

CIMG2711.JPGもちろんレストランもオーガニックレストランです。私達はここでオーガニック・カレーと

豆のサラダをいただきました。ドリンクも当然オーガニック飲料です。

 

トトネスでは、現在の日本で「エシカルな暮らしを推進しよう」と言われていることが、80年も前から運動として始められていたということを知りました。

妹の「トトネスにはヒッピーが集まってきて住んでいたのよ」という解説に「なるほど・・・ヒッピーはベジタリアンが多いからね!」などと納得しました。

 

デパート LIBERTY

2011年7月15日 09:00

リバティはロンドンで一番好きなデパートで、思い出すだけでワクワクします。

ロンドンの中心街、オックスフォード・サーカスにあります。

今から137年前にアーサー・ラセンビィー・リバティという人が家庭用品ファッションのために、始めたストアだったそうです。当初雇った2人の従業員のうち、1人が日本人だったというのにも驚きました。当初から日本や東洋の装飾品や布地を販売していたそうです。いまも日本の版画や東洋の美術品が販売されていますから、伝統になっているのかもしれません。インテリア用品や雑貨が充実している高級デパートです。

 

CIMG2661.JPGリバティは地下1階、地上5階の、イギリスでよく見かけるチューダー洋式の建物です。

現在は残念ながら外壁の一部が改修中でした。

 

現在の建物は今から91年前、2隻の木造船を解体した木材を利用して、創られたそうです。ということは「リユース材」で創られたということですから、現在も現役で使われているのが驚きです。建築技術が優れていたことの証だと思います。

 

CIMG2667.JPG建物は3箇所の吹き抜けがあり、売り場はその周囲を回遊するスタイルです。

日本でも、表参道ヒルズや横浜ランドマーク・タワーなどがこのスタイルをとっています。

どこからでも、どこで何が売っているのかが分かる仕組みです。

 

リバティと言えば、皆さんがご存知のリバティ・プリントがあります。そのもとになったのが日本の布だったといいますから嬉しくなります。リバティ・プリントは小さな花柄が特徴なので「ひょっとしたら小紋柄が元になっているのかしら・・・」などと空想してみます。

 

CIMG2676.JPG最上階にある家具売り場です。アーチの梁と漆喰の天井が美しい。

花柄のソファーがピッタリ似合っています。「こんなリビングを設計してみたい!」

 

CIMG2666.JPG最上階のフロアで、向こう側の売り場を見たところです。漆喰塗りの壁が美しい。

黒ずんだ梁の木彫が重厚感を醸し出しています。

 

CIMG2671.JPG吹き抜けの上部天井はスカイライトです。たっぷりの自然光が下の階まで降りています。

 

CIMG2673.JPG 階段室も全て木製です。まるで住宅の階段のようです。

 

板張りの床を歩き、木製の手すりに触れながら「美しい物を見て歩く」それだけでも最高に贅沢な気持ちになります。「ここだけにしかない」という物を探すにはぴったりのデパートです。

 

こんな家に住んでみたい その⑤

2011年6月17日 09:00

梅雨の晴れ間をぬって友人の家を訪問しました。

こちらの住まいは、富士山の麓に広がる眺めの良い丘陵地にあります。友人はご夫婦ともこの地域の出身の方で

30年近く東京に通勤されています。私が横須賀に住んでいる時に知り合った、古い友人のご家族です。

 

CIMG2472.JPG道路から5メートルくらい上がったところに家の玄関があります。緩やかな斜面に建っている家です。

 

CIMG2475.JPGアプローチ階段を数段あがったところ、周囲の緑に溶け込むようにポストがありました。

 

この家を訪れた人はまずこのポストを見て「家のインテリアも素敵なんだろうなぁー」という期待に胸がふくらみます。家は人と同じで第一印象がとても大切です。

日本では、昔から玄関前にお客様を迎える心配りがされてきました。玄関前に打ち水をしたり、踏み石の両側にさりげない植物を植えたりしてきた歴史からも分かります。

 

CIMG2486.JPG広い庭に大きな木があり、森のなかの家という感じです。大きな木はヒメシャラの大木です。

ヒメシャラは姿・形が美しいので私も大好きな木です。

 

CIMG2483.JPGここで朝ごはんを食べることもあるとか・・・羨ましいです。

 

この家は大規模に計画された開発地域の中にあるので、近くにゴルフ場、テニスコート、プールなどのスポーツ施設やオシャレなレストランもあります。私達も若いころはテニスをしたりプールに入ったりしてアクティブに活動していましたが、最近はクレマチスの丘を散歩するくらいです。ここにはヴァンジ彫刻庭園美術館やビュフェ美術館のほか井上靖文学館などの文化施設もあります。

 

CIMG2491.JPG 友人は多くの趣味をもつ、とても魅力的な女性です。

クラシックなインテリアが好きで古いヨーロッパの演出が上手です。

 

                CIMG2522.JPG    CIMG2506.JPG

 

驚いたのはデコパージュを施したハンガーと体重計です。これならリビングに置いてあってもインテリアとして美しいです。

 

CIMG2501.JPGご主人の本棚の一部です。蔵書は表紙を外し、セピア色に統一されているのがステキです

 

CIMG2499.JPG庭に咲いている花のテーブルフラワーにもセンスの良さが伺われます。

 

CIMG2510.JPG「老後の楽しみ」について話しながら、沢山のお料理とワインをいただきました。

 

高原の風を感じ、澄み切った空気と美しい景色を満喫した1日でした。美味しいお料理でもてなして下さった友人に感謝です。

 

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Profileプロフィール

天方 幸子 天方 幸子(あまかた さちこ)
一級建築士
東京ガスリモデリング
リフォームデザイン研究所所長


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