2011年4月26日 09:00
「楽しい子供部屋を造ってほしい」というご依頼をいただくことがあります。
リフォームで子供部屋を造るのは、夢があって楽しい仕事です。いままでに手がけた事例をご紹介します。
小学校低学年の、女のお子さんが二人の部屋です。
4LDKのマンションで、姉妹二人の共同の子供部屋です。二人の勉強机の真ん中に、両サイドから使う仕切り用の本棚と吊り戸棚。二段ベットと引き出しつきステップも今回のリフォームで製作しました。これらは全て設計をして、家具製作をしたものです。
このように市販の家具では対応しきれないときは、設計をして製作家具屋さんに作ってもらいます。この方法だと隙間無くピッタリの寸法で造ることができます。ベットの上段から下りるとき体が当たっても痛くないように捕まるところを丸くしてあります。このように小さな心配りができるのも造作家具の魅力です。
この事例も小学校の女の子二人の部屋です。
6畳の部屋に勉強机と二段ベットを置かなければいけません。市販の勉強机を入れようとすると狭くて遊び場所がなくなります。ここでは勉強机と引き出しと本棚を一体のものとして造作しました。インテリアポイントは両サイドをアールにしたブルーのカーテンボックスです。このブルーの色は壁に造りつけた本棚の背板にも採用しました。明るく愛らしい部屋になったと思います。
造作家具は壁に固定するため、地震の時にも家具が移動することはありません。子供部屋は安全でなければいけないので、リフォームのときがチャンスです。限られた空間を有効に使えるうえに、インテリアコーディネートにも威力を発揮します。
簡単に「楽しい子供部屋」にできるのが、壁にステッカーを貼る方法です。
小さなお子さんの部屋にこんなステッカーや
こんなステッカーを貼ったら、楽しくなります!
子供部屋だからといって、ただ寝るためだけの部屋ではなく、お子さんが自分の部屋に愛着が持てるようなインテリアを考えてみてください。
ステッカーは「テシード」という輸入クロスの会社で扱っています。
2011年4月22日 09:00
私は数本のタペストリーを持っています。ロンドンにいる妹が染織家でいてくれるおかげで、ことあるごとにタペストリーを織ってもらっています。
リビングに10年以上掛け続けているタペストリーです。
小さな壁いっぱいがカラフルです。家に入って最初に目が行く壁に掛けてあります。
青山の家にリフォームをして移り住んだとき、妹がお祝いに織ってくれたものです。
赤、オレンジ、グリーン、白の絶妙なコンビネーションです。
我が家のインテリア計画は暖かい色でアクセントをつけたいと思っていたので、この色の組み合わせは大変気にいりました。
いろんな色に染めた糸で、ひも状に織ったタペストリーです。
この「紐」とよばれるタペストリーは色の組み合わせが決めてです。繊細なのに重厚感があり、作り手の意気ごみが感じられる作品です。複雑に重なり合う色たちが絶妙に調和しています。布と言うよりは「布の束」と表現したいような存在感があります。
薄紫色がベースで透明感があります。天井の高い部屋にとてもよく似合います。
タペストリーの魅力は色や素材感に加え、なんといっても手仕事の跡が感じられるところにあると思います。部屋のなかに1枚掛かっているだけで暖かくホッとさせられます。
リフォームの仕事をしていると、お客様からインテリアのご相談を受けることがあります。
建築でインテリアといえば床、壁、天井の素材である内装材のことを言います。
建築で担うインテリアはできるだけ色を少なめにして、シンプルな仕上げにすることが望ましいと思っています。
この織物は絣(かすり)織りです。15年以上も経っているのに古さは感じないうえに、いつ見ても新鮮です。
リフォーム工事が終わったら、まず家具やカーテンでインテリアのベースを作ります。そのあとで空いている壁に絵やタペストリーを配してみてください。そのあとアクセントとして忘れてならないのは観葉植物やスタンドなどの間接照明です。
このようにしてインテリアを完成させるのですが、あれもこれもと一度に揃えないほうがよいと思います。時間をかけて「自分の住まいはどんな感じにしたいのか」と確認しながら計画してください。
そんなときタペストリーは予想以上に大きな威力を発揮してくれます。
2011年4月19日 09:00
私は北海道の田舎育ちなので、季節の移り変わりにはかなり敏感な方だと思っています。
東京に住んでから何十年にもなるのに、春になるといまだにワクワクします。
実家は雪深いところで、真冬になると2メートル以上の雪が積もります。子供のころは2階の窓からクツを履いて外に飛び出していたのですから、相当な豪雪村です。
雪国の春はゆっくりやって来るのではなく、いきなりやって来ます。かたくりや山吹の花、桜も水仙も同時に咲くのです。冬の長い間、村は雪に埋もれて真っ白な景色だったのに、いきなり春の花が何もかも同時に咲いて、花祭りのようになります。
田舎では、春は新緑、夏にはむせ返るような夏草の香り、秋は枯葉の香りがあります。
いまでも目をつむると鼻先に香ってくるようです。
冬には雪の香り・・・雪は氷水の香りかも・・・言葉ではうまく表現できませんがあるのです。その季節によって自然が醸し出す香りは、都会ではなかなか出会うことはできません。私は子供ながらに季節の香りに会いたくて、雪が解けて春がやってくるのが待ち遠しかったものです。
ウドは春の香りです。スーパーには1年中売っていますが、本当は今が旬です。
田舎では雪解けの山に生えているウドを食べます。そんな環境で育ったせいもあって、香りの高い野菜が大好きです。ウドは酢味噌和えが一般的ですが、キンピラにしてみました。
噛んだとたんに、口のなかで春がはじけます。炊き立てのご飯にぴったりです。
しゃきしゃきとした歯ざわりを残すために、ウドを炒めるまえにごま油を少々絡ませておくのがポイントです。
私だけのランクですが、春野菜のトップに来るのが菜の花です。
菜の花畑がイメージにあるからなのかもしれません。
菜の花も最近のスーパーでは1年中目にすることができます。ですがやはり春でなければいけません。コップの水に一束全部を挿しておけば、テーブルの上で黄色い花が満開になり目でも春を楽しめます。
私はお浸しにして、からし醤油でいただくのが好きです。
口のなかに広がる香りで、雪国の春を思い出しています。
2011年4月15日 09:00
東京の桜はいま頃はもう散ったでしょうか、私も4月10日お花見に行ってきました。
家から歩いて行けるところで、桜がたくさん咲いているところは青山墓地です。
例年は青山墓地の桜のトンネルを通りぬけ、青山通りに出る道を散歩していました。ここでは墓地の中なのにシートを敷いて宴会はしているし、屋台も並んでいます。
「今年も花見をしたいなぁー」とは思うものの、人混みのことを思うと気が進みません。
桜が咲いていて景色が美しく「人混みでないところはないかしら」と思いついたのが迎賓館(旧東宮御所)です。
「迎賓館は桜の名所ではないけれど、1本くらいは咲いているのでは」と期待を込めて行ってみました。
「桜の木があるといいなぁ・・・」人の少ない迎賓館赤坂離宮に向かいます。
迎賓館赤坂離宮は皆さんがご存知のように、外国の元首や首相などの賓客に対して、宿泊や外交の場としてさまざまな役割を担っているところです。
正門ゲートです。この美しい門扉を見ながら「これは鋳物の焼付け塗装なのかしら・・・」などと考えるのは私だけです。
迎賓館(旧東宮御所)は、かって紀州徳川家の江戸屋敷があったところだそうです。東宮御所は明治天皇の皇太子殿下・嘉仁親王(後の大正天皇)の御成婚後の新居として、1899年に着工し、10年の歳月をかけて建造されたそうです。
日本における唯一のネオバロック洋式の洋風建築物で、片山東熊の傑作です。
緑青の屋根、花崗岩の外壁など華麗な洋風建築です。
この写真では建物が松の木に隠れて、全体の美しさがわかりづらいのが残念。
この建物は1969(昭和44年)年から5年にわたり村野藤吾(当時83歳)により改修され、1974(昭和49年)年から国の迎賓施設として使用されています。
正門前の公園に満開の桜の木がありました。周りの木立の新芽と相まって美しい。
可憐な桜の花をみると心が浮き立ちます。
まるでヨーロッパのような美しい景色です。
桜に誘われて訪ねた迎賓館前の小さな公園は、大きな木々に囲まれていてまるでプライベートガーデンのようでした。
2011年4月12日 09:00
先日、我が家で一緒に暮らしている姪が1冊の本を買ってきました。
「叔母ちゃんが好きそうなので買ってきた!」と手渡されたのがこの本です。
私はかねてから「ロンドン地下鉄のサイン」が気になっていたので、喜んで中を覗いてみました。書体デザイナー(カリグラファ)エドワード・ジョンストン(1872~1944)の功績が解説してあります。専門書なので本の内容は難しいのですが、大変興味深いものでした。
エドワード・ジョンストンは今から100年前に、手書き文字の近代化に取り組み、発表するやいなや欧米デザイン界で大きな反響を呼んだそうです。現在使われている多くの書体はジョンストンがデザインしたものが元になっているそうです。
ジョンストンが作業している様子です。イギリス紳士らしくスーツを着て羽ペンを持っている姿が時代を感じさせます。
広告用としてデザインされた、ジョンストン最後の作品です。
エドワード・ジョンストンの最も偉大な仕事のひとつに、サイン表示のためにデザインされた「ロンドン地下鉄書体」があります。長年の間使われ続けてきたこの書体も、後にさまざまな用途に対応しきれなくなったため、新しい書体が必要になったそうです。そこで30年前、ニュー・ジョンストンとしてデザインしなおしたのが日本人デザイナー河野英一氏だそうです。現在、河野氏はイギリス王立芸術院のデザイン担当をしています。
ブログ「ロンドンの地下鉄」でご紹介したサインです。この文字は日本人デザイナー河野氏によるものです。
河野氏のデザインしたロンドン交通局の公式書体ニュー・ジョンストンは今ではロンドンの顔になっています。
オイスターカードの自動販売機です。上部に地下鉄のサインがありますが、遠くからでも目に入り、読みやすいです。
ロンドンの地下鉄で使われているサインを見るたびに「読みやすくバランスがとれていて、美しい!」と思っていました。目に入りやすく読みやすいのは、文字の太さとその間隔に秘密があるようです。
日本の地下鉄のサインも読みやすさで言えば充分なのですが・・・・。
日本はデザイン先進国と言われるようになりました。
不思議なもので日本人が「ロンドン地下鉄書体」のデザインに関わっていたと知っただけで、誇らしい気持ちになりました。
2011年4月 8日 09:00
室内にグリーンを置くと、見ちがえるほど部屋の中が生き生きしてきます。
私はリフォームの仕事をしているので、インテリアに関心があります。リフォームが完成した瞬間は、部屋に何も置いていないので殺風景に感じます。家具を置き、壁に絵を掛けると住まいとしては整いますが、そこにグリーンを置いた瞬間に部屋の空気は一変します。
緑の葉っぱを通して光が透けてみえます。
これはウンベラータという観葉植物で我が家のシンボルツリーです。
ウンベラータは11年前、いまの家をリフォームしたときに大きいグリーンが欲しくていろいろ見て廻り、代官山のグリーンショップで買ったものです。みなさんも部屋にグリーンを置いてみたいと思いませんか。高さのあるものと低めのものをバランスよく配置してみて下さい。不思議なことに部屋に奥行き感が出ます。我が家の天井高にあわせて高さ1メートル70センチほどのものにしました。ところがアフリカ原産のウンベラータは生育がよく、11年の間にどんどん大きくなってしまいました。枝を切っては友達や家族にプレゼントしているので、この樹の子孫は北は札幌から南は沖縄までもらわれて行きました。
窓際に置いてある樹が11年前のウンベラータです。当時は樹の形も良かったのですが、
枝を切り落としてプレゼントしているうちに今ではやっかいな形になってしまいました。
ウンベラータは熱帯の植物なので生育が早く、夏には目を見張るくらい新しい葉っぱが たくさん出てきます。
我が家では夏はベランダに置き、冬の少し前には室内に入れています。
冬は室内で冬眠しているように見えますが、春になると新しい葉が一斉に芽を出します。
新しい葉の色は赤みがかっていますが、外皮が取れると中から薄緑色の葉が生まれます。
冬になるとたくさんの葉が黄色くなって落ちてしまい、春にはこんな新芽が次からつぎへと誕生します。
ウンベラータは一枚の葉が大きく、ハート型をしているのが特徴です。ゆったり大らかな感じが、西洋風なインテリアにとてもよく似合います。
2011年4月 5日 09:00
どちらのご家庭にも常備薬というのはあるものです。我が家の常備薬は昔から「正露丸」と「メンソレータム軟膏」です。
みなさまご存知の万能薬「正露丸」です。
これはラッパのマーク(大幸薬品)の「正露丸」とは会社が違いますが中身は同成分です。
ご存知「正露丸」は日本生まれの薬です。その効能は、消化不良による下痢、水あたり、食あたり、くだり腹などです。おもに胃や腸の調子を整えるのに効くとのことです。
この薬は私が子供のころから、家にあったように思うのでその歴史を調べてみました。
最初に作られたのは1900年ころで、日清戦争のときに将兵が伝染病に悩まされたのが開発のきっかけのようです。
その後、日露戦争のとき将兵に大量のクレオーソート丸(実はこれが正式名称)を持たせ、予防薬として連日飲ませたそうです。その結果、下痢や腹痛による戦線離脱の兵士は激減したそうです。当時は「ロシアをやっつける」という意味で「征露」という言葉が流行語になっていて、そこから「征露丸」と呼ばれるようになったそうです。その後「征」の字は好ましくないという行政指導があり「正露丸」と改められたそうです。
もうひとつ、我が家の常備薬として洗面所で幅を利かせているのが「メンソレータム軟膏」です。
このフタに描かれたマスコットキャラクター「リトルナース」の絵は懐かしい。
メンソレータム社は、その後ロート製薬が経営権を取得しますが、もとはアメリカの会社でした。メンソレータムは19世紀に開発されたといいますからその歴史は古いのです。日本での販売は今から90年前になります。
現在も変わらずお馴染みの金属容器にはキャラクターのリトルナースが描かれています。
リトルナースのオリジナル(アメリカ)の顔は右向きですが、日本版は左向きになっています。これは日本人デザイナー「今竹七郎」のデザインによるものだそうです。
今の移り変わり激しい時代でも、この小さな容器とリトルナースの絵はこれからもずっと変わらないでいてほしいと思います。
2011年4月 1日 09:00
表参道の交差点付近にあるビルは、比較的小さめな建物が多いように感じます。
交差点から赤坂見附方面を写したものです。間口が狭いビルが目につきます。
私が最初に表参道に住んだのは今から45年前のことです。その頃、この写真に写っている道路には都電が走っていました。信号の角に都電の乗り場があり、そこから九段下の学校に通っていました。それよりずっと前からこの本屋さんはここにありました。
信号の角に建っている「山陽堂書店」です。当時からこのビルは何も変わらずこの状態です。
先日「表参道の交差点にこんな広告が」で紹介した山陽堂書店の建物です。あの黒いシートの下にはこんな壁画が隠れていたのです。モザイクタイルで作られているこの壁画は街のシンボルにもなっています。
山陽堂書店について調べてみました。80年前、表参道のこの辺にビルなど全くないころ、鉄筋3階建て地下1階のモダンな建物を書店ビルとして建てたそうです。その後、東京オリンピックの際に道路拡張工事があり、このビルを3分の1に減築しなければいけなくなり現在の形になったようです。「青山一古い建物」はこうして生まれました。
モザイクタイルの壁画は画家・谷内六郎さんによるものです。
絵の右下に小さく書いてあるタイトルは「傘の穴は一番星」です。
なんとのどかな絵でしよう。疲れた時などはこの絵をみて癒されていたのに、この記事を書くまでタイトルには気づきませんでした。「傘の穴は一番星」というタイトルに気づいたとき、この絵は私を一気に幼い頃に連れて行ってくれました。
谷内六郎さんといえば、新潮社の雑誌「週刊新潮」の表紙絵を1956年から26年間休むことなく描き続けていた画家です。この絵は昭和36年5月22日号の表紙絵だそうです。多くの作品は横須賀美術館・谷内六郎館に展示してあります。
この壁画は実際に谷内六郎さんがお店に来て、製作に携わったそうです。