2010年10月29日 09:00
現在建設中の「東京スカイツリー」は完工時634.0mになり、世界一の高さを誇るというので日本中の注目になっています。
先輩格の「東京タワー」は1958年に竣工し52年間、東京全域をカバーする電波塔として役割を果たしてきました。しかし近年都心に建つ高層ビルの影響で、東京タワーの高さでは不便が生じるようになり、東京スカイツリーの計画となりました。
暮れゆく都心に、ひっそりと建つ東京タワー
東京タワーの正式名称は「日本電波塔」です。東京のシンボル・観光名所としてふさわしいニックネームをということで公募し「東京タワー」に決まったそうです。数多くある応募の中からこの名前を選んだのは、元祖マルチタレント徳川夢声によるものだそうです。
東京スカイツリーの工事期間は3年の予定ですが、東京タワーは1年3ヶ月で完成しました。スカイツリーの半分程度の高さにしても、当時の技術力ですから大変な速さの工事期間だったと思います。
港区芝公園に建つ東京タワー、向こうに東京湾が見える
設計は日建設計で施工は竹中工務店です。当時はフランス・パリのエッフェル塔の312m(現在は324m)より21m高く、自立式鉄塔としては世界最高でした。
東京タワーの色は「インターナショナルオレンジ」と呼ばれ、安全確保のため航空法で定められた色です。建設中には錆び止めの色と間違えられて「最終的にはどのような色になるのか」と思われていたそうです。現在もこの色を保つため、5年に一度の周期で約1年をかけて人の手で塗装のやり直しを行っています。
タワーの照明は照明デザインで有名な石井幹子氏によるものです。タワー全体に直接ライトを当てることで、塔を浮かび上がらせる方法のランドマークライトを採用しています。
日没から深夜0時までの間ライトアップされ、季節に合わせてライトの色を変化させています。20時~22時までの2時間はダイヤモンドヴェールといって17段ある光の階層それぞれが7色に発色することができるLEDを使用し、色にメッセージが込められています。ライトアップスケジュールはホームページで確認できます。
涼しげな白色メタルハライドランプで、夏色の照明です
「東京タワーのライトアップが消える瞬間を一緒に見つめたカップルは永遠の幸せを手に入れる」と噂されていて、0時前になるとライトダウンの瞬間を見ようと多くのカップルが集まるそうです。東京タワーは2012年春にはその役割を終えますが、このロマンチックな噂は残るのでしょうか。

夜空に輝く東京タワー
これらの眺めは六本木の高層ビル、泉タワー44階からの景色です。
2010年10月26日 09:00
今年の夏は猛暑が続き、みなさんも屋外での活動は控えていたのではないでしょうか。
最近はやっと秋らしくなり日差しも柔らかく、吹く風も気持ちよくなりました。
青山ではオープンテラスのあるレストランをところどころに見かけます。
眺めがよくて少しの風があれば、屋外で食事をするのはとても良いものです。「オープンテラスっていいなぁー」と憧れてはいますが、マンション暮らしの我が家では叶わない夢です。しかたがないので時々はレストランで楽しむことにしています。
オープンテラスはリゾートのような雰囲気
今回ご紹介するのは青山通りに面し、骨董通りの入り口にあるAOビル(アオビル)5階にある「TWOROOMS」というレストランです。昨年の3月竣工の商業ビルです。
このビルは地下2階、地上16階、低層部と高層タワーの2棟で構成されています。
TWOROOMSは低層部の屋上庭園を見下ろす位置にあります。
見下ろすと低層部の屋上庭園が見えます
テラスの周囲は池に囲まれていて「ウォーターテラス」と呼ばれています。写真の左側に水面が見えます。
左の黒く見える水面が流れ落ちているような演出です。
店内は広くて天井が高く、ニューヨークスタイルのインテリアです。外のテラスには夜景を見ながらシャンパンをいただくと良さそうな、ゆったりしたソファーがおいてあります。私はテラスに憧れているので、食事には少々無理のあるセンターテーブルでしたがランチをいただきました。お料理はグリル料理がメインとのことでしたが、野菜もおいしいかったです。
テラスでいただくイチジクと生ハムのクリームチーズ添え、ビールもおいしいです
屋上緑化もすてきです。緑の向こうには渋谷の方角が見えます
夜になると新宿方面の夜景が美しいと聞きました。外国旅行に行くほど時間がないけど、ちょっとした「転地療養」をしたいとか「気分転換」をしたいと思われる方におすすめのレストランです。
2010年10月22日 09:00
今年の8月、青山通りに「Love Sweets Antique」が開店しました。本社は愛知県名古屋市にあり、焼いても揚げてもいない「生ドーナツ」として有名になりました。

表参道の信号近くに開店したドーナツ屋さん
「この店が出来る前にはどんな店があったかしら」と思ってしまうほど、突然現れたおもちゃ箱のような店です。この店を設計したのは、今をときめくインテリアデザイナーの森田恭通氏です。このブログで少し前に紹介した「フランフラン青山店」も同じく森田氏の設計です。今や飲食店のみならずホテルや店舗を手がけ、世界中で最も人気のあるデザイナーです。設計のコンセプトは「サプライズ」と公言しているように、その作品は見るものにとって確かに新鮮な驚きが用意されています。
店口はカラフルで、お菓子で作られているようなディスプレイです。
ドーナツの名前の由来は、ドウ(小麦粉に水・砂糖・バター・卵などを混ぜた生地)の上にナッツがのっているものという意味から来ています。私は「ドーナツといえば油で揚げたリング状のもの」と思っていました。実際には形や種類はいろいろあって、砂糖やナッツ、チョコレートなどで工夫されています。リングドーナツが主流になったのは油で上げる際に、中までしっかり火が通るので安心だということだったそうです。
油で揚げていない「とろなまドーナツ」食感はフワッ!
販売元の「ラブスウィーツ アンティーク」では世界初の「生ドーナツ」として売り出しています。今では長蛇の列が出来るほどの人気です。
とろなまドーナツは、スポンジケーキにムースをのせてゼリーやフルーツと一緒に冷やし固めています。口の中でとろける食感が特徴のドーナツです。
ケーキでもないアイスでもない、そしてドーナツでもないというのが私の印象です。
この店構えにも驚きましたが「とろなまの味」にも驚かされました。
2010年10月19日 09:00
ある休日、根津美術館を訪ねました。東武鉄道の社長であった根津嘉一郎の収集品を展示するためにつくられた美術館で、1941年に開館されました。収集品は主に日本・東洋の古美術品です。根津コレクションの特色はその質の高さと幅の広さにあります。よく知られているのは尾形光琳の「燕子花図屏風」(かきつばたずびょうぶ)です。これは毎年4月下旬から5月上旬に公開されています。見る者の心を揺さぶる、すごい迫力があります。
入り口付近にある石庭、水を湛えた石船が展示品への期待を誘います

エントランスへのアプローチ:壁仕上げは竹、庇の化粧垂木が美しい
美術館は老朽化に伴い、2006年から3年かけて建替えを行い、昨年10月に新装開館しました。設計は今まさに人気の建築家・隈研吾です。
美術館入り口
美術館の敷地は根津嘉一郎の私邸跡で、広大な日本庭園を有しています。庭内には茶室が4棟あり傾斜地を生かした風情ある佇まいです。

深い森のなかの茶室
美術館を出て庭へのアプローチのほど近くに、本館と同じ設計者が設計した「おやすみ所」があります。洋風に言えば「ティーハウス」とでも言うのでしょうか。建物は森のなかに埋もれたようにひっそりと建っているため、見過ごしそうになります。室内側から見ると3方がガラス張りなので、まるで森の中でお茶をいただいているようです。「ここは都会の真ん中」と言うことを忘れてしまいそうです。
ティーハウス内部
室内は全て和紙を張った仕上げ材で統一されています。屋根は寄せ棟で、そのままの形で天井が仕上がっています。北側屋根に大きなスカイライトが取ってあり、和紙を通して柔らかい光が差し込んできています。まるで折り紙で屋根をつくったように見えます。
水に空と緑が映りこんで、実にすがすがしい
ティーハウスの出入り口に置いてあった古い水盤に、思わず目を奪われました。
そうそう 日本の家には昔から玄関の入り口付近に、このように打ち水用の水盤が置いてあったものです。
2010年10月15日 09:00
通勤の行き帰りに通る道沿いに「COUNTRY HARVEST」という花屋さんがあります。店名は「田舎で収穫した花たち」という意味だそうです。店の外側には草花が道路にあふれるように置かれていて、店内は良く見えません。店に入るときはヨーロッパの田舎家に「ごめん下さい」と言って、おじゃまするようです。店内にはいつも数多くの花が並んでいます。私の印象ですがどこの花屋さんよりも花の色が豊富で、珍しい色合いの花があるように思えます。ときどきブーケを頼むことがありますが、いつも新鮮な色の組み合わせで驚かされています。
店はビルの1階で、緑が道路にあふれています。
田舎家風の演出です。夜になると店の中がよく見えます。
10月31日はハロウィンです。
ハロウィンはカトリックの諸聖人の日に、ケルト人の収穫感謝祭が取り入れられたものだといわれています。ハロウィンといえばオレンジのカボチャです。 黒とオレンジ色が伝統的なハロウィン色なので、カボチャはオレンジ色でなければいけません。
「カントリーハーベスト」の店先におかれた小さなカボチャ達
秋の畑を想像させる大きなカボチャです。この大きなカボチャをくり抜いてお化けの顔を作ります。
ケルト人の1年の終わりは10月31日だったので、その日に魔よけのお祭りをしたと言うのが始まりのようです。
私は長い間ハロウィンは「秋の収穫祭」だと思い込んでいました。それなのに「どうしてカボチャに怖い顔を掘り込むのだろう」と不思議でした。
西洋のハロウィンはこれより怖い顔です。子供達はこんなバッグを持ってキャンディをもらいに家々を訪ねます
この夜は死者の霊が家族を訪ねて来たり、精霊や魔女が出てくると信じられていたそうです。その悪い霊を怖がらせて追い払うために、カボチャを怖い顔にくり抜いて、家の戸口に置くのが習慣になったそうです。
日本のお盆でも提灯を灯し、ご先祖を迎えるという行事がありますが、意味合いは少し違っているようです。
2010年10月12日 09:00
私は部屋に小物を飾るのが好きです。でもいろいろな物をたくさん並べることはしないことにしています。それは飾るもの同士がお互いに邪魔しあうことになり、美しく飾るのが難しいからです。何もない棚にポツンとひとつだけ置くのは殺風景かとも思いますが、結果失敗は避けられています。いろいろなものを上手に並べて美しく飾ることができる人はディスプレイ上級者です。
ある時、イギリスに住む私の妹が「貴女が好きそうなので思わず買っちゃった」と言って小物好きな私のことを思い出し、プレゼントしてくれたものがあります。
この小さな花達は、「ウエッジウッド社」のバーラストン工場の入り口付近の工房でおばさんが手作りで作っていたそうです。ウエッジウッド社はイギリスの陶磁器メーカーで1759年に設立されました。ロイヤルドルトン社と並ぶ世界最大級の陶磁器メーカーです。
ウエッジウッドといえば、日本ではワイルドストロベリーの食器で有名です。ウエッジウッド社の発展は、同業他社よりも価格を高く設定し、そのためのデザインやイメージの差別化に成功したからだと言われています。
会社はデザインのために大きな予算を組み、徹底してデザインの品質向上に取り組んできたそうです。その組織としての取り組みが現在まで続く成功につながっているようです。

小さな花は一輪ずつに分かれていて、どんな飾り方にでも対応できます
この花は素焼きの陶器で、色はほんのりクリームがかった白です。手作りらしい温かさがあり、素朴で美しい飾り物です。「おばさんが一輪づつ手作りをしていた」と聞いたその一言で、おばさんの体温が伝わってくるようで心が温まっています。
2010年10月 8日 09:00
この8月に高知県のアンテナショップが銀座に開店しました。いま話題のジョン万次郎や坂本竜馬の出身地としても有名な県です。高知県の「スギ、ヒノキの製材品と土佐和紙、土佐漆喰」の紹介があると聞き、勉強のため行ってきました。
高知県は海や川(四万十川)のイメージが強いのですが、県土の84パーセントを林野が占める全国一の森林県だと知りました。木材はスギとヒノキが主で、土佐材として知られています。建築材料としてはもとより、木で作った生活雑貨品(ハンドバックからおもちゃ等)家具や楽器などの普及に県と民間会社が力を合わせて取り組んでいます。
ヒノキの集成材で作られた紙バサミ、ヒノキの良い香りがします
高知県は昔「土佐国」(とさのくに)といわれていて、今の高知県になったのは明治22年以降のことだそうです。土佐材は、大阪城築城にて高い評価を得たこともあって、関西方面では広く使われてきました。関東では「地産地消」の考えから西川材(江戸時代からの呼び名で、関東で生育した建材のこと)を使ってきました。現代では輸送能力の向上や木材の加工技術の進歩から関東でも土佐材を使う人が増えてきたそうです。「木の家を建てたい」ので品質の良い木材を探しているという方、のぞいてみてはいかがでしょう。
取り組みの一つに楽しいプランを見つけました。「伐採祈願祭」に参加し、施主自身が希望の木を伐採することができるというプランです。家族みんなで選んだ木材は新しい家の柱など、見える部分に使ってくれます。家が出来上がってからその柱を見るたびに、木を伐採した瞬間を想いだし、ひとしおだと聞きました。リフォームも同じですが、家は造る段階で参加すると愛着が湧くのではないかと思います。

皿鉢料理:カツオのたたき、姿魚の蒸し物、肉料理、四万十川の海老、寿司、羊羹が一皿に

「おきゃく」の店内、壁面は土佐和紙、照明も木製で出来ています
高知県の郷土料理に皿鉢(さわち)料理があります。このビルの2階にTOSA DINING「おきゃく」という店もオープンし、土日は予約制ですが戴くことができます。宴会の時に「女性も一緒に席についてお酒がいただける」との配慮から「お料理を全て一皿に盛り付ける」という習慣になったと聞きました。私はこの一言で高知県が好きになりました。
2010年10月 5日 09:00
秋の夜長をローソクの灯りで楽しんでみませんか。忙しい日常を過ごしている我々にとって、ゆらぐローソクの灯りは心をくつろぎ感でいっぱいにしてくれます。
私は時に、お客様をお招きし「ホームパーティ」をします。そんな大人ばかりの集まりには部屋の照明を暗くして、テーブルにローソクを灯します。手の込んだお料理がなくてもローソクの灯りがあれば、それだけでテーブルが華やかになり気持ちが弾みます。
ゆらぐ灯りには不思議な力があるように感じています。
ローソクの炎は色温度が低いので、「落ち着いてくつろいだ雰囲気」を作る最適な照明です。茶道でもローソクを灯して茶事を行うことがあるそうです。
ときどきおしゃれなレストランのテーブルで見かけることもあります。身近にはバースディケーキの飾りや結婚式にも使われています。
最近、ローソクがよく売れているそうです。その用途はさまざまで、災害時に電気が使えなくなった際にローソクは便利なようです。たしかにローソクは懐中電灯のように電池の交換もいらないので身近にあれば安心です。
明るい室内照明を好む日本では懐中電灯の普及でローソクは使われなくなりました。しかし暗い室内照明を好む欧米文化では現代でもローソクを好んで使う家庭もあります。
アメリカの絵本作家で造園でも有名なターシャの作った蜜蝋のローソク。
彼女はいつでも灯せるように、銀の燭台に立てたものを部屋に置いていました。
そのほかに、お客様をお招きした際に部屋のフレグランス(芳香剤)用としても使われます。玄関やお部屋に灯しておくだけで「ようこそいらっしゃいました」という気持ちが表現できます。お風呂に入るときにリラクゼーション用としても人気があります。リフォームで浴室を作り変える際にローソクを置く棚を作ることもあります。
オーストラリア製で、置いておくだけでココナッツの香りがします
テーブルに置いてゆっくりくつろぐためには、眺めが美しいように形や色にもこだわりたいと思っています。
このローソクは半分くらいに減ってしまいましたが色合いが気に入っています。
2010年10月 1日 09:00
日本の家庭ではダイニングルームは食事をするだけの場所ではなく、家族の団欒の場所になっています。西洋ではダイニングルームは食事をするだけの場所であり、食事が終わると全員がリビングに移ります。さて皆さんのご家庭はどんなスタイルでしょうか。今回はリフォームでダイニングテーブルを造りつけた事例をご紹介します。
「滴の形をしたテーブル」円形は沢山の人が座れて便利
昔の茶の間を思い出してみてください。寅さんの映画の場面でもそうですが、茶の間(現代ではファミリールームと言う)の中央にちゃぶ台があって、そこで食事をしたりお酒を飲んだり、お茶を飲み、新聞を読んだりしていました。最近ではちゃぶ台こそ無くなりましたが、食卓テーブルに座ってテレビまで見ています。
日本の家庭の団欒は、床座か椅子座の違いこそあれ、食卓に始まって食卓近くで終わっているように思えます。これは昔も今もあまり変わってはいないのではないでしょうか。
「リビングボードと一体のテーブル」まさにファミリールームに溶け込んでいます
したがってダイニングテーブルやその周辺がとても大事なのです。
ダイニングを設計する時にはまずキッチンとテーブルの関係を大切にします。あまり遠すぎると歩く距離が長く不便ですし、近すぎると食事をする際に落ち着きません。ダイニングテーブルに座ったとき、周囲の環境が食事スペースとしてふさわしいかどうかと考えます。それぞれのご家族にあった「団欒ができる快適な環境」を作ることは、リフォームをご提案するうえでとても大切なことだと思っています。
テーブルはキッチンの収納から繫がっているが、壁の一部があるため座った位置からキッチンは見えない
ダイニングテーブルを家具や壁の一部に造りつけると、インテリア的にも統一感が生まれ美しいのです。置き家具をいろいろ買い揃えるのが苦手な方にはおすすめの方法です。